視力1.0でも“見えづらい”?そんな時にはコントラスト感度に注目!

浜松市と磐田市に3店舗と2店舗の系列店のあるメガネの専門店天竜堂です。「視力は良いはずなのに、最近なんだか見えづらい…」こんな風に感じたことはありませんか?
実は、それは「視力」ではなく「コントラスト感度」に原因があるかもしれません。視力は小さいものを識別する力ですが、コントラスト感度は明暗の差を見分ける力です。そこで今回は、日常生活での“見えやすさ”に密接に関わるこの感度について、わかりやすく解説していきます。
Contents
コントラスト感度とは?
コントラスト感度とは、「白と黒」「明るいものと暗いもの」の差を、どれくらい見分けられるかを示す視覚能力です。霧の朝や夕暮れ、夜間の運転中に、物の輪郭が見えにくくなるのはコントラスト感度の影響です。
昼間は明るいので色味の差が出るのですが、夜は暗いので色味の差が出ないですよね。例えばそれは夜の運転中に人影を認識できるかどうかということにもつながってきます。夜や曇りのような光料が少ない時に物が識別できるかどうか。ぼんやりとしたものの認識や背景の同化しそうなものの認識(見分け)ができるかどうかということがコントラスト感度です。
「視力」と「コントラスト感度」とはどう違うの?
「視力」と「コントラスト感度」とは概念が違います。「視力」はそもそもどのくらい小さい文字まで認識できるかや、より小さいものの空いている方向がわかるかどうかという概念です。「コントラスト感度」は濃淡の差がわかるかどうかということです。ですから、同じ視力1.0の方でもコントラスト感度によっては見え方が異なり、「視力」が高い人は必ずしも「コントラスト感度」が高いわけではありません。
視力1.0の人が、「夜に人が見えにくい」と感じるのは、コントラスト感度が低下している可能性があります。視力は皆さんが良く知っている視力検査によって測定します。学校や運転免許証の取得や更新の際の「右」とか「左」とかって言うあれです。視力検査の視力表は、実は白と黒(のコントラスト)をはっきりとさせた形で作られています。要は皆さんが非常に見やすい状態で視力検査は行われているのです。
コントラスト感度が低い方の場合、こうした視力検査表で1.0と測定されても、夜になるとそれよりも見づらく感じてしまいます。それは、薄暗くコントラストがはっきりしない中で物を見てもしっかりと認識できないためなのです。
視力とコントラスト感度の違い

コントラスト感度が低いとどうなる?
コントラスト感度が低いと以下のような症状が出る場合があります。
・まぶしく感じやすい(光がにじんで見える)
・全体的に白っぽく、ぼやけて見える
・明暗の差が分かりにくい
・階段や段差が分かりづらい
・夜間運転が怖いと感じる
こうした症状は、「視力の低下」ではなく「コントラスト感度の低下」が関係することもあります。「見えやすい」「見えにくい」というのはあくまで主観になります。視力検査と同じく皆さんが見た時にどう見えるかですから、握力や背筋力のように単純に数値で表すことができません。ですから、上記のような症状を感じたら、もっと簡単に言うと「最近少し見えにくくなってきたなぁ」と感じたら、まずはメガネ店に足を運んでいただく事をおすすめします。
ここからは当店の話になりますが、ご来店いただいたらまずはお客様の状況を詳しくヒアリングさせていただきます。そのうえでいくつかのレンズを試していただき、状況を診断させていただきます。実際にいくつかのレンズで見ていただき「見えやすい」「見えにくい」といった状態を確認します。濃淡(コントラスト)をはっきりさせるようなレンズもありますので、それで改善できるようならそのようにご提案させていただきます。ただ、見えにくい状況は、コントラスト感度の低下だけとは限りません。いくつかの状況を確認させていただいたうえで、病院に足を運んでいただいた方がよろしければそのようにアドバイスさせていただきます。
加齢や病気で起こるコントラスト感度の変化
こんな人は要注意です
・視力検査で問題なしなのに見えにくい
・夜の運転がつらい
・曇りの日や逆光に弱い
コントラスト感度は、年齢とともに自然に低下します。よくある変化としては、40代頃からぼんやり見える感覚が増えたり、60代以降の方が夜間の視界が著しく悪化するなどです。年齢を重ねて夜自動車の運転がし難くなったという話って意外と耳にしますよね。それは加齢により、こうした症状が現れているためです。
また、白内障や緑内障、糖尿病網膜症などの病気でコントラスト感度が低下することもあります。そうした場合、メガネの製作前に眼科受診をおススメすることがあります。
見え方を改善するためのレンズ選び
その1 調光レンズを使用する
コントラスト感度が低下している場合、調光レンズを使用するのはひとつの解消案です。調光レンズは紫外線で色が変わるため、まぶしさ対策に最適です。
その2 高精度設計のレンズを使用する
コントラスト感度が低下している場合、高精度設計のレンズを使用するのも良いでしょう。高精度設計のレンズとは、オーダーメイドレンズとも言われレンズの中でも特に高い精度で設計・製造されたレンズのことです。具体的には、フレーム形状と見かたに合わせて最適な見え方になるように設計されたレンズです。より鮮明で歪みの少ない画像を得ることができます。そのため、コントラスト感度が低下した状況を解消できる場合があります。
特に、遠近両用メガネや中近両用メガネでは高精度設計のレンズを使用してもらうといいでしょう。遠近両用メガネや中近両用メガネの場合、1つのレンズで遠いところと近いところを見ることができるレンズですから1つのレンズの中で度数がかわります。高精度設計のレンズを使うことでそのひずみをより少なくすることができ、コントラスト感度を上げて見ることができるようになります。
その3 まぶしさ対策レンズ(遮光や偏光レンズなど)
コントラスト感度が低下している場合、遮光レンズや偏光レンズなどを使うことで見え方を解消することができる場合があります。遮光レンズや偏光レンズは、色コントラストを高め、はっきり見せる機能がついています。そのため、こうしたレンズを使うことで見えづらさを解消できる場合があります。
天竜堂のメガネづくり
視力だけが“見え方”じゃない!
今回はそれをお伝えしたかったです。日常生活の中で「なんだか見えにくい」と感じたら、それはコントラスト感度が原因かもしれません。当店では、お一人おひとりのライフスタイルや見え方に合わせたメガネをご提案しております。
“視力”だけではなく、“見えやすさ”までしっかりサポートいたします。これができるのは当店が検眼に力を入れ、きちんと皆様に合ったメガネ作りを提供しているためです。
⇒当店の検眼へのこだわりはこちらから
最近視力が低下してきたかもしれない…、少し視界がぼやけている、現在かけているメガネが少し見えにくくなった等、メガネに関することはお気軽にご相談ください。
この記事はわたしが書きました

齋田祐一(さいたゆういち)
有限会社天竜堂 1級眼鏡作製技能士(旧SSS級認定眼鏡士)
キクチ眼鏡専門学校卒業後、眼鏡の組合で教育事業に関わり、眼鏡店、眼科を経験後有限会社天竜堂へ入社。眼鏡の仕事を多方面から関わることでお客様のお役に立てる商品やサービスの提案に日々邁進しております。