天竜堂

文字が二重に見える・目が疲れる

文字が二重に見える・目が疲れる

50代男性

ご相談内容

「道路標識の文字が二重に見えることがあり、近くを見るときにも見づらさや疲れを感じる」という50代の男性のお客様。数年前にも二重に見えることについて眼科を受診され、その後、プリズムを入れたメガネを作製して使用されていました。

今回も眼科を受診されたうえで当店へご来店され、プリズム量を増やすことについても勧められていました。詳しくお話を伺うと、「二重に見える」といっても見え方に違いがありました。右眼だけで見ると文字が伸びて二重のように見える一方、左眼だけでは比較的きれいに見えます。さらに、両眼で道路標識などを見ると、今度は文字そのものが二つに見えることがありました。

また、近くを見る際にも見づらさや目の疲れを感じるとのことでした。そこで今回は、乱視による単眼での二重の見え方と、両眼で見たときの二重の見え方を分けて確認することにしました。

ご来店時の状況

  • 年齢:50代男性
  • 数年前からプリズム入りメガネを使用
  • 今回も眼科受診後にご来店
  • 現在のプリズム:左右それぞれ4Δ BI
  • 近視度数:左右とも約-0.50D
  • 乱視度数:右約-1.50D、左約-1.00D
  • 遠方から近方まで見るため、累進帯の長い累進レンズを使用

見え方を片目ずつ確認すると、
右眼:文字が伸びるように見え、単眼でも二重のような見え方を感じる。
左眼:文字は比較的きれいに見える。
両眼:道路標識などの文字が二つに見えることがある。
さらに近方では見づらさがあり、長時間見ると疲れを感じていました。

実施した測定

今回は「二重に見える」という訴えを一つの問題として考えるのではなく、単眼での見え方と両眼での見え方を分けて確認しました。

今回実施した主な測定
  • 問診
  • 現在お使いのメガネの度数
  • 現在のプリズム量
  • 裸眼視力・メガネ装用時の視力
  • 他覚屈折検査
  • 完全補正度数
  • 単眼での文字の見え方
  • 両眼での見え方
  • 遠方・近方でのプリズム量
  • 遠方・近方での輻輳・開散量
  • その他両眼視機能測定
  • テストレンズによる装用感の確認
  • 加入度数と近方の見え方の確認

測定で分かったこと

今回の測定では、以下のように大きく3つのポイントに分けて見え方を考えました。

1.右眼だけで見たときの二重・文字の伸び
右眼の乱視を詳しく測定すると、現在使用している-1.50Dよりも強く乱視を補正することで、文字の伸びが少なくなり、よりはっきり見えることが確認できました。測定では-2.25Dと-2.00Dを比較しました。-2.25Dでは文字がよりはっきりしましたが、乱視補正を強くしたことによる違和感も感じられました。

そこで、見え方の鮮明さだけではなく実際にメガネを掛け続けたときの装用感を考え、今回は-2.00Dを選択。これにより、左右それぞれで見たときの見え方の差も少なくなりました。

2.両眼で見たときの二重
右眼の乱視を調整して単眼での見え方が改善しても、両眼で道路標識を見ると二つに見える状態がありました。こちらは単眼で感じていた乱視による文字の伸びとは分けて考える必要があります。

現在のメガネには左右それぞれ4Δ BIのプリズムが入っていました。眼科からプリズム量を増やすことについても勧められていたため、両眼での見え方や遠方・近方での状態を確認しながら、左右それぞれ5Δ BIでテストしました。テストレンズで確認すると、両眼で感じていた二重の見え方が気になりにくくなりました。

3.近くを見るときの見づらさと疲れ
現在のメガネでは、遠方だけでなく近方を見る際にも見づらさがありました。そこで。加入度数だけを見るのではなく、近方での両眼の状態やプリズム量についても確認しました。

左右それぞれ5Δ BIでテストすると、近方の見やすさにも改善が感じられるように。今回は加入度数を変更せず、プリズム量を調整することで近方の見え方を確認しました。

今回の事例では、「乱視による単眼での二重・文字の伸び」と、「両眼で見たときに生じる二重」を分けて確認し、さらに「近方での見づらさや疲れ」まで含めて考えることがポイントとなりました。

ご提案したメガネ

眼科での受診内容を踏まえながら、単眼・両眼それぞれの見え方と実際の装用感を確認して度数を決定しました。

  • 近視度数は左右のバランスを確認
  • 右眼の乱視を-1.50Dから-2.00Dへ変更
  • 左右それぞれで見たときの見え方の差を調整
  • プリズムを左右それぞれ4Δ BIから5Δ BIへ変更
  • 加入度数は現在と同じ度数を採用
  • 遠方から近方まで見るため、今回も累進帯の長い累進レンズを選択
  • テストレンズで単眼・両眼、遠方・近方それぞれの見え方を確認

また、プリズム量を増やすことによる見え方だけでなく、プリズムレンズで生じることがある色収差やレンズの外観への影響についても事前にご説明しました。メリットだけで判断するのではなく、実際にテストレンズを掛けていただき、見え方と装用感の両方を確認したうえで作製しました。

ご使用後のご感想

新しいメガネをご使用いただいたところ、「右眼だけで見たときの文字の伸びが少なくなりました。」「左右で見たときの違和感も以前より少なくなり、両目で見たときに標識の文字が二つに見えるのも気にならなくなりました。」「近くも見やすく、以前より疲れにくくなりました。」とのことでした。

乱視補正を見直したことで単眼での文字の見え方と左右差が改善し、プリズム量を変更したことで両眼での二重の見え方や近方での見づらさも気になりにくくなりました。
※見え方や感じ方には個人差があります。

眼鏡作製技能士からの
アドバイス

「文字が二重に見える」といっても、すべてが同じ見え方とは限りません。今回のお客様の場合、右眼だけで見ても文字が伸びて二重のように感じる見え方と、両眼で見たときに文字そのものが二つに見える見え方がありました。前者では乱視の補正を見直すことで変化がみられ、後者では両眼での見え方やプリズム量を確認する必要がありました。

さらに、遠方だけでなく近方での見え方や疲れも確認することで、日常生活全体で使用するメガネとして度数を考えています。

天竜堂では、「二重に見える」という言葉だけで判断するのではなく、「片目で見ても二重なのか、両目で見たときだけ二重なのか」といった見え方の違いも確認しながら測定を行っています。

また、プリズムを使用する場合には、見え方だけでなく色収差やレンズの外観などについてもご説明し、テストレンズで実際の見え方を確認することを大切にしています。なお、二重に見える原因にはさまざまなものがあります。急に二重に見えるようになった場合や、これまでと見え方が変化した場合などは、まず眼科での診察をおすすめしています。

今回のお客様も眼科を受診されたうえでご来店いただき、その内容を踏まえてメガネを作製しました。

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