天竜堂

2023.12.28

はじめての補聴器作成ガイド 補聴器のプロが無料試聴の重要性を解説します

浜松市と磐田市に3店舗と2店舗の系列店のあるメガネと補聴器の専門店天竜堂では、補聴器のご相談時にはまず、3か月間の無料試聴をおススメしております。メディア等のイメージで補聴器や集音器を装用したらすぐに聞こえがよくなり、快適な聞こえになるイメージをお持ちの方がいます。

しかし、実際はイメージ通りではありません。補聴器の販売店により貸出器の試聴期間は1週間や2週間等異なりますが、天竜堂では3か月間です。補聴器は医療機器であり、聞こえの補助をしていくための機器です。天竜堂でお客様一人ひとりに合わせた補聴器となるようしっかりとお付き合いができる体制をご用意しております。「箪笥の肥やし」には致しません!!

今回は天竜堂で行っている補聴器貸出3か月で何を行っていくのか、試聴機の貸出までの流れや、なぜ天竜堂では3ヵ月の貸出期間を設けているのか解説していきます。

丁寧なヒアリングでしっかりと現状把握

ご来店時は、じっくりと今の聞こえで困っている点や改善したい点、普段のテレビの音量、ご家族との会話の仕方などをお伺いします。さらにご家族が同伴の場合は、ご家族にもお伺いします。天竜堂ではこれが非常に重要なことと考えております。なぜなら、ご自身の判断は、どうしても自己に対しては甘く評価(判断)してしまうからです。そのため、主観的なご意見と客観的なご意見を踏まえ、今の聞こえについてヒアリングを行います。

ヒアリング内容
・禁忌8項目
・今の聞こえで困っていること
・いつ頃から聞こえにくくなり始めたか
・現在通院の通院状況
・耳のアレルギーや耳漏、手術等
・耳鳴りの状況
・補聴器の使用経験

などをお伺いします。ただし、「禁忌8項目」(次に紹介します)に該当する際は耳鼻咽喉科の受診を必ずおススメしております。また、初めて補聴器を購入する場合には、事前に補聴器相談医の補聴器適応のための診察をおススメしております。補聴器専門医をお探しの際は天竜堂へご相談ください。

禁忌8項目

禁忌8項目とは補聴器を購入する前に、確認したい重要項目です。『最近聞こえにくくなった』と感じて来店されたとき、補聴器より先に診断と治療が必要な場合があります。禁忌8項目とは、早期治療が必要、また耳型採型が危険な可能性が高く、耳鼻咽喉科専門医である補聴器相談医の事前診察が必要である具体的な理由をまとめたものです。

具体的には

1.耳の手術を受けたことがある。
2.最近3ヵ月以内に耳漏があった。
3.最近2ヵ月以内に聴力が低下した。
4.最近1ヵ月以内に急に耳鳴りが大きくなった。
5.外耳道に痛みまたは、かゆみがある。
6.耳あかが多くたまっている。
7.聴力測定の結果、平均聴力の左右差が25dB以上ある。
8.聴力測定の結果、500、1,000、2,000Hzの聴力に20dB以上の気骨導差がある。

の8項目です。

該当項目がある場合は事前に耳鼻咽喉科(補聴器相談医)の診察を受けるようにすすめられています。

【その他の確認事項】
・補聴器の公的支援や助成制度について説明を希望される方はお申し出ください。
・販売店では、医療機関で行うような診察や検査および診断は行えません。
・販売店では、補聴器適合のために観察や測定を行います。
・心臓の病気・脳梗塞・血栓症などの治療で薬を内服している場合は、出血し易くなっていないか、耳の奥の皮膚をこすっても心配ないか医師に相談してください。
・販売店では、耳鳴りの診断や治療はできません。補聴器相談医の指示がなければ耳鳴りの治療を目的とした補聴器の販売はいたしません。
・販売店では、認知症の診断や治療はできません。認知症の予防、治療を目的とした補聴器の販売はできません。
・販売店では、耳の手術を受けたことがある方の耳型採型はできません。

認定補聴器技能者が対応します

補聴器の販売にあたり、天竜堂には認定補聴器技能者という資格を取得した、専門の技術をもったスタッフが在籍しています。認定補聴器技能者は、お客様一人ひとりの状態に合わせて、補聴器を選定して調整(フィッティング)を行い、より快適な「きこえ」をお客様に提供します。

認定補聴器技能者は、公益財団法人テクノエイド協会が、厳しい条件のもと、基準以上の知識や技能を持つことを認定して付与する資格です。4年間の講習期間を経て、試験に合格することで初めて資格が得られます。また資格取得後も5年おきに講習を受け資格を更新していきます。

また、天竜堂は、認定補聴器専門店です。認定補聴器専門店とは、公益財団法人テクノエイド協会が補聴器販売店からの認定申請に基づき、その店舗の補聴器販売事業が、補聴器の適正な販売を行うために遵守すべきものとして定めている「認定補聴器専門店業務運営基準」に適合して行われていると認定し、 当協会の認定補聴器専門店登録簿に登録し、認定証書を交付している補聴器販売店です。

この運営基準は、補聴器関係各分野の有識者によって構成されている補聴器協議会の議を経て定められており、認定補聴器専門店の認定は、補聴器協議会の答申に基づいて行われています。

測定と貸出器の設定

補聴器の貸出のためにまずは現在の聞こえを確認します。現在の聞こえは「音の聞こえ」と「ことばの聞き取り」を測定していきます。

そのうえで、測定した「音の聞こえ」と「ことばの聞き取り」をもとに補聴器の音の調整をします。補聴器から聞こえる音は測定したお客様専用の音となります。音が調整できれば、補聴器を装用して効果測定をおこないます。

効果測定後は、補聴器の装用、取り外しの練習や、器種により電池の出し入れ、充電方法、取り扱いなどの説明をいたします。(貸出器は基本的に耳掛け型、RIC型です)

天竜堂が3ヵ月の補聴器貸出をする理由

試聴開始後は1~2週間程度でご来店いただき、聞こえで気になる点や装用方法の確認、1日の装用時間などを確認行います。基本的には次回のご来店予約をいただきます。気になる点がある際は、いつでもご相談ください。3か月経つ頃には補聴器の装用がかなり向上し、補聴器についてより詳しく知ることができます。ゆっくり慣れていただく方もおります。もし途中で辞めたい場合も遠慮せずお申し出ください。

天竜堂では、試聴なしで販売する事はございません。試聴の結果、「補聴器が合わない方」がいらっしゃるからです。例えば、試聴してみると「手が不自由で自分ではなかなか装用できない」「実際使ってみたけど、期待したほど会話が聞こえない」「毎日耳につけるのが面倒」といったことがあります。また、装用者が補聴器の音に「慣れる事」も大事です。はじめから、補聴器音量を理想の音の大きさにすると会話だけでなく他の音も聞こえて使用できないことがあります。まずは、小さい音から『耳を慣らして』日数をかけて徐々に音を適正にしていく必要があるからです。そのためには1~2週間の視聴期間だけでは、絶対に足りない(わからない)のです。

「なくてはならない補聴器」にするためには、できるだけ長くご使用していただくために装用者の努力も必要となります。また補聴器の種類も、多種多様です。色々な機種を試聴していただき、ご自身にとって適正な補聴器を探すことも必要です。

以上のような理由から、天竜堂では最長3ヶ月という長期の試聴期間を設け、納得して購入いただくことを心がけております。また、無理な販売はいたしませんので、安心してご相談ください。不明な点は、ご遠慮なくスタッフへお声かけください。

取扱商品の紹介

天竜堂で取り扱っている補聴器の一部をご紹介いたします。

Insio Charge&Go AX

Insio Charge&Go AX

充電式耳あな型補聴器

片耳:160,000円~非課税
両耳:320,000円~非課税
充電器:44,000円(税込み)

Pure Charge&Go AX

Pure Charge&Go AX

充電式RIC型補聴器

片耳:160,000円~非課税
両耳:320,000円~非課税
充電器:44,000円(税込み)

Pure 312 AX

Pure 312 AX

電池式IC型補聴器

片耳:160,000円~非課税
両耳:320,000円~非課税

Silk X

Silk X

電池式既成耳あな型補聴器

片耳:130,000円~非課税
両耳:260,000円~非課税

補聴器の種類には4つのタイプがあります。まずは、「耳掛け型の補聴器」。昔からあるスタンダードな耳掛け型の補聴器は、サイズ的に持ちやすく、着け外しがしやすいとおっしゃるお客様が多いです。

そして、「耳穴型の補聴器」です。耳穴型の補聴器は、目立ちにくいのがお好みのお客様が選ばれることが多いです。マスクやメガネの邪魔になりにくいのも良いところですね。
3つ目は「RIC型の補聴器」です。RIC型の補聴器は、スタンダードな耳掛け型と同じように耳へ掛けます。本体から耳栓までの部品が非常に細く、耳掛け型ですがとても目立ちにくいです。本体も小振りなものが多く髪の毛で隠れてしまう方も多いです。

最後は「箱型の補聴器」。箱型の補聴器は、本体を手にしながらスイッチ操作ができます。
空気電池ではなく単三電池や単四電池を使います。その他にメーカーによっては形状がスリムなタイプもあります。店頭にて実器やサンプルをご用意しておりますので、ぜひお立ち寄りください。

まとめ

天竜堂では貸出期間を3か月にすることでお客様のペースで補聴器の試聴ができるよう心がけております。年齢を重ねると、手の動きに心配がある方がおります。そんなときは補聴器を装用することから練習が必要です。電池交換も練習が必要なことがあります。補聴器から聞こえる音も聞き慣らし、聞く感覚の練習にも時間が掛かります。3か月あることでできないことや悩み事などを一緒に前に進めていくことができます。補聴器がお客様の役に立つモノとなるよう全力でサポートしてまいりますので、いつでも天竜堂へご相談ください。

この記事はわたしが書きました

内山淳(うちやまじゅん)

有限会社天竜堂 代表取締役 認定補聴器技能者、眼鏡作製技能士

国立大学を卒業後、エンジニアとして就職しその後家業である天竜堂へ。90周年を迎えた天竜堂の代表としてお客様へ安心してご利用いただける確かなメガネや補聴器をご提供できるよう日々社員の育成や会社の発展に尽力しております。「地域のお客様のために」をモットーにこれからも邁進してまいります。

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