補聴器を使い始めるタイミングはいつ?
聞こえの「もやもや」を放置していませんか?浜松市と磐田市に3店舗と2店舗の系列店のあるメガネと補聴器の専門店天竜堂です。日常の音の世界が少しずつぼやけていくとき、私たちはその変化にどう向き合うべきでしょうか?
補聴器は、その「ぼやけ」を晴らすための有力な選択肢の一つです。しかし、補聴器はただ単に音を増幅する魔法の道具ではありません。そこで今回は、聞こえの専門家から見た補聴器の役割と、適切な使用開始のタイミングについて解説します。
Contents
補聴器に対する正しい理解
まず知っておくべきは、補聴器は「万能な集音器」ではないということです。遠くのささやき声や、特別に小さな音を大きくするものではありません。その真価は、あくまで「通常の大きさの会話」を明瞭にし、コミュニケーションの質を改善することにあります。
聞こえにくいと感じるようになったとき、多くの人は「もう少し様子を見よう」と考えがちです。しかし、聞こえの状態を放置することは、脳が音を認識する能力を徐々に低下させることにつながりかねません。
補聴器を使い始めるタイミング
では、どのような時に補聴器を検討すべきでしょうか?重要なのは、「聴力検査の結果」と「日常生活での困りごと」の二つの側面から総合的に判断することです。
自己認識の変化とは
・テレビの音量を上げないと聞こえにくい
・レストランや人が多い場所での会話が聞き取りにくい
・重要な会議や電話の内容を聞き逃すことがある
・周囲からの指摘
・家族や友人に「テレビの音が大きい」「何度も聞き返される」と指摘される
こうしたサインは、聴力が変化している可能性を示唆しています。しかし、自己判断だけで補聴器の必要性や効果を判断するのは困難です。

補聴器使用の際に専門医への相談が不可欠な理由
補聴器は、個々の聴力レベルやライフスタイルに合わせて調整されるべき管理医療機器です。そのため、いきなり補聴器専門店に行くのではなく、まずは耳鼻咽喉科専門医(補聴器相談医)の診察を受けることを強く推奨します。
「どうして補聴器を買うのに病院に行くの?」と思われるかもしれません。実は、聞こえにくさの裏には、補聴器では解決できない、または治療によって改善する可能性のある疾患が隠れていることがあるからです。
補聴器が必要ないかもしれない「治る難聴」
聞こえが悪い原因は、単なる加齢性難聴だけではありません。以下の場合が考えられます。
【耳垢栓塞】
実は、耳垢が外耳道を完全に塞いでいるだけで、かなりの聴力低下を引き起こすことがあります。この場合、耳鼻科で耳垢を除去するだけで、聞こえが劇的に改善し、補聴器が必要なくなることもあります。
【中耳炎】
中耳に炎症が起こり、滲出液が溜まる「滲出性中耳炎」や、鼓膜に穴が開く「慢性中耳炎」など、中耳炎が原因で難聴になることがあります。これらは、適切な治療をすることで難聴が改善される可能性があります。
まずは専門医に原因を特定してもらい、治療によって聞こえが改善するかどうかを判断することが重要です。

危険な病気のサインを見逃さないために
聞こえにくいという症状は、耳そのものの病気だけでなく、より重篤な病気のサインである可能性もごく稀にあります。耳鼻咽喉科医は、聴力検査だけでなく、耳の奥の状態や、必要に応じて画像診断なども行い、聞こえにくさの背景にある病気を正確に診断してくれます。
自己判断で「加齢のせいだ」と決めつけてしまうと、重大な病気の発見が遅れてしまうリスクがあります。専門医は、精密な聴力検査を通じてあなたの聴力状態を正確に診断してくれます。聞こえにくさの原因を特定することが最も重要です。
聞こえに関する「もやもや」を抱えているなら、まずは専門医に相談し、ご自身の聴力と向き合うことから始めてみてはいかがでしょうか。それが、より豊かなコミュニケーションを取り戻す第一歩となるはずです。

まとめ
専門家との連携が、快適な聞こえへの第一歩です。補聴器は、あなたの生活の質(QOL)を大きく向上させる素晴らしいツールです。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、あなたの耳の状態を正確に把握することが不可欠です。
天竜堂のような認定補聴器専門店は、『補聴器選びと調整のプロフェッショナル』です。そして、耳鼻咽喉科医は、『耳の健康状態を診断・治療する専門家』です。この二つの専門家が連携することで、あなたに最適な補聴器と聞こえのケアを見つけることができます。
聞こえにくさを感じたら、まずは最寄りの補聴器相談医の先生がいる耳鼻咽喉科で診察を受け、あなたの耳の状態を知ることから始めましょう。それが、快適な聞こえを取り戻すための、最も確実な第一歩となるのです。
この記事はわたしが書きました

鈴木学(すずきまなぶ)
有限会社天竜堂 認定補聴器技能者
高校を卒業後、眼鏡店に就職。補聴器の資格を取得し現在に至る。眼鏡・補聴器を通して地域の方のお役に立てるよう日々精進しております。

