天竜堂

2026.01.22

フィッティング研修会第2回 ― 販売時のフィッティングと光学的フィッティング ―

浜松市と磐田市に3店舗と2店舗の系列店を展開する、メガネと補聴器の専門店・天竜堂です。株式会社VIEWSの代表取締役吉原智様を講師に迎え、全4回にわたるこの研修シリーズ。前回のコラムでは、メガネ選びの前段階となる「見立てのフィッティング」についてご紹介しました。2回目となる今回の研修では一歩進み、販売時に行うフィッティングの実践と、見え方に直結する光学的フィッティングについて学びました。「ちゃんとしたメガネ」を完成させるために欠かせない、より具体的で実践的な内容です。

販売時のフィッティングとは

今回の研修でまず確認したのは、「販売時のフィッティング」の考え方です。販売時のフィッティングとは、レンズを加工して完成後に掛け具合を合わせるものではなく、レンズ加工前にフレームを顔や頭部形状にしっかり合わせておく“プレフィッティング”を指します。
この工程を丁寧に行うことで、
・掛けた瞬間の安定感
・レンズ性能を最大限に活かす位置関係
・見た目の美しさ
の3点を同時に成立させることができます。

フィッティングの役割

研修では、フィッティングの役割を次の3点に整理しました。
・フレームを安定して固定する
・作成するレンズの効果を最大限に発揮させる
・装用時の美観を整える
フィッティングは単なる「掛け心地調整」ではなく、解剖学・力学・光学・美観の要素が重なり合う重要な工程であることを改めて確認しました。

フィッティングの合言葉「みてバす」

今回の研修を通して共有された合言葉が「みてバす」です。“”は『見る』で、見立てのフィッティングです。“”は『手順』でフィッティングの手順です。“”は『バランス』でフィッティングの評価を示します。最後の“”は『数字』で数値によるフィッティング管理を行うことです。

この「みてバす」を合言葉にすることで、感覚だけに頼らず、再現性のあるフィッティングを行うための指針として学びました。

◆「み」見る:見立てのフィッティング
「見る」とは、前回学んだ見立てのフィッティングを土台に、掛ける前から結果を予測する力です。観察ポイントとして、「左右の側頭部の幅」「眼に対する耳の位置」「眼に対する鼻骨の位置」「左右の眼と耳の高さ」の4つを把握することで、調整の方向性を事前にイメージできるようになります。

フィッティングの合言葉「みてバす」"

◆「て」手順:フィッティングの基本手順
販売時フィッティングでは、以下の順序で行うことを学びました。
1. テンプルの開き幅調整
2. 鼻パッドの接し方・向きの調整
3. テンプルチップの曲げと添わせ
手順を守ることで、無理な調整やバランス崩れを防ぎます。

◆「バ」バランス:フィッティングの評価
フィッティングの良し悪しは、全体のバランスに表れます。バランス不良の主な原因として、「テンプルの開き幅」「テンプルチップの曲げ」「テンプルの先添わせ」が挙げられました。

確認方法として、「パッドの左右バランス」「フレームを軽く前に引いた際の動き」「テンプルチップの添わせチェック」など、具体的な評価方法を実践しました。

◆「す」数字:数値で管理するフィッティング
フィッティングを安定させるためには、数字による基準が重要です。その際、必要な幅と角度が重要になります。必要な幅とは、『テンプルの開き幅』『パッド幅』『テンプルの長さ』の3つです。必要な角度とは、『テンプルの傾斜角』『パッドの3つの角度』『テンプルチップの曲げ角度』の3つです。

目安となる数値を知ることで、調整の再現性が高まります。また、日本人と欧米人の頭部形状の違いを理解し、側頭幅や鼻骨形状に合ったフレーム構造や鼻パッドを選ぶ重要性も学びました。

フィッティングの合言葉「みてバす」"

光学的フィッティングの重要性

研修後半では、光学的フィッティングについて学びました。正確なレンズ度数であっても、位置や角度が適切でなければ、本来の屈折効果は得られません。

光学的調整の基本
位置:垂直方向(アイポイント)・水平方向(瞳孔間距離)・頂間距離
角度:前傾角・そり角
累進多焦点レンズでは、累進帯長・インセット量・遠用・近用それぞれの前傾角についても理解を深めました。

◆測定と確認
測定は、目測による予測と実測による確認の2段階で行うことを学びました。また、近方アイポイントの確認ではミラー法についても学びました。

◆ミラー法の役割
1. 近用視線の確認
2. 近用視線の説明・指導
3. フィッティング不良の確認
遠近のアイポイント確認シールと合わせて活用することで、遠用部と近用部の正確な確認が可能です。遠近多焦点では、遠用部の見え方よりも、近用部の見る位置にわかりにくさを感じる方がいるため、近くを見る位置を具体的に体験いただくことが大切です。

光学的フィッティングの重要性"

まとめ

第2回の研修では、販売時に行うフィッティングの具体的な手順と、見え方に直結する光学的フィッティングを体系的に学びました。見立て・手順・数字・バランスを意識することで、フィッティングは感覚的な作業から、再現性のある専門技術へと進化します。

天竜堂では、これからも研修を通じて技術を磨き、お客様一人ひとりに「ちゃんとしたメガネ」をお届けできるよう努めてまいります。次回は、さらに実践的なフィッティング技術を深めていく予定です。

この記事はわたしが書きました

齋田祐一(さいたゆういち)

有限会社天竜堂 1級眼鏡作製技能士(旧SSS級認定眼鏡士)

キクチ眼鏡専門学校卒業後、眼鏡の組合で教育事業に関わり、眼鏡店、眼科を経験後有限会社天竜堂へ入社。眼鏡の仕事を多方面から関わることでお客様のお役に立てる商品やサービスの提案に日々邁進しております。

BACK to TOP
冬の補聴器お手入れ
pagetop