補聴器のテグスが切れてしまったらどうしたらいい?
浜松市と磐田市に3店舗と2店舗の系列店のあるメガネと補聴器の専門店天竜堂です。耳穴型の補聴器やオーダーメイド耳栓をお使いの場合に付いている取り出しテグス。経年劣化や外的要因で切れることがありますが、切れてしまうとかなり不便さを感じます。今回はそのテグスが切れてしまった際に、どうしたらいいのかをご紹介していきます。
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補聴器のテグスは必要なの?
補聴器のテグスとは、耳穴型や一部のオーダーメイド耳栓(耳型を採り作製した耳栓)などに付けてある取り出し用の糸です。小型補聴器ほど必要性が増し、テグスが無いと耳の穴の中に引っかかってしまったり、奥に入ってしまってご自身で取り出せなくなる場合もあります。こちらの画像のようにいくつかの種類があり、外観や掴みやすさで選ぶこともできます。

また、紛失防止のための脱落防止ストラップのご用意がございますが、これをご希望の場合はループタイプを選択しましょう。耳穴型の場合、ループへカニ管を取り付けるためです。

外観を重視し、補聴器のテグスが不要とされる方もいらっしゃいますが、その場合はオプションでノッチと言われる爪を引っかけて外す刻みを入れることができます。指先が器用な方はこちらでもよいでしょう。

しかし、形状は問いませんが補聴器にはテグスを付けることが一番機能的でおすすめできます。
補聴器のテグスは自分でも直せる?
指先の器用な方でしたら道具、材料があれば作業自体は可能でしょう。しかし、機材の中には数万円するものもあるため現実的ではありません。また、耳穴型補聴器の場合は中に精密部品が入っています。取付位置の再加工となりますので補聴器内の構造知識が必要です。誤って内部部品を破損させると高額な修理代金の発生や、メーカー保証が受けられなくなる可能性もあります。そのため、直せないことはないでしょうが、指先の器用な方でも販売店への依頼がおすすめです。
お店ではどのように補聴器のテグスを直すの?
1.状態の確認

上の写真はオーダーメイド耳栓です。左は正常な状態、右はテグスの切れた状態です。これでは取り出しに苦労します。このオーダーメイド耳栓はここにレシーバーという部品を取り付けますが、外す際にテグスがなく補聴器本体やレシーバーを持って外すと負荷がかかり、レシーバーを破損する可能性があります。レシーバー交換は10,000円以上かかり、出費が膨らんでしまいます。
2.穴の再加工

0.6~0.8mmのドリルで切れたテグスが入っていた位置へ慎重に穴を開けます。
3.テグスの接着

開けた穴へ新しいテグスを接着剤で固定します。いろいろと試しましたが、こちらの低粘度接着剤を使用しています。
4.ビーズの取り付け

最後にビーズを取り付け掴みやすいようにします。通常はこれで終了となります。しかし、中には指先が上手く動かない方もいらっしゃいます。そのような場合はビーズの部分を大きめに加工し、さらに掴みやすくします。
5.ビーズ部分の追加加工

まず、クリアの樹脂を盛ります。これは一定の波長の光で固まる素材です。画像はクリアですがベージュもございます。一般的にはクリアを使うことが多いです。
6.樹脂を固める

蓋を閉めスイッチを入れると内部で光が照射されるとともに機械内の円盤が周り、均等に樹脂へ光が当たり硬化します。機械に入れて僅か数十秒で固まります。
7.完成

これでまた快適にご使用いただけます。
「ビーズの大きさは標準でいいが長めにしてほしい」や一方で「ビーズは大きく、長さは短め」などのご要望にも対応できます。
補聴器のテグスの修理期間や修理費用
破損の状態や店頭での混雑状況にもよりますが、当日お渡し可能な場合もございます。一部特殊な形状の場合は1~2週間のお預かりとなります。費用に関しましては天竜堂の場合、店頭修理可能であれば無料で行っております。店頭修理が難しい場合はメーカー修理となり、2,000~3,000円の費用がかかります(当社取り扱いメーカーに限る)。
最後にワンポイント:テグスを引くときに、下向きよりも真横またはやや斜め上へ引くとテグスへの負担が減りますよ。
この記事はわたしが書きました

池谷克之(いけやかつゆき)
有限会社天竜堂 認定補聴器技能者
卒業後、眼鏡店へ就職。眼鏡、補聴器に携わり30年ほど経ちます。聴こえの悩みに寄り添い、最適なサポートを心がけています。なんでもご相談下さい。


