天竜堂

2026.02.20

フィッティング研修レポート第4回 ― 理論と実践をつなぎ、「ちゃんとしたメガネ」を完成させる ―

浜松市と磐田市に3店舗と2店舗の系列店を展開する、メガネと補聴器の専門店・天竜堂です。株式会社VIEWSの代表取締役吉原智様を講師に迎え、全4回にわたるこの研修シリーズ。フィッティング研修も、今回が最終回となりました。

第1回では「見立てのフィッティング」、第2回では「販売時フィッティングと光学的調整」、第3回では「明視域と累進レンズ、目測と実測」を学び、回を重ねるごとにフィッティングの理解を深めてきました。第4回となる今回は、これまでの理論を総復習し、実際のメガネを用いた実習を通して“使える技術”として定着させることを目的とした研修です。

これまでの研修の復習

最終回の研修では、知識として学んできた内容を整理しながら、実際のメガネを手に取り、調整を行う実習を中心に進めました。受講者は、それぞれ最近使用していないメガネフレームを2~3本持参し、今の掛け具合は適切かズレや違和感が起きる要因はどこにあるのかを参加者同士で確認し合いながら、フィッティングのポイントを一つずつ見直していきました。

これまでの研修の復習
これまでの研修の復習

実習に入る前に、これまでの研修内容を改めて整理しました。

フィッティングの役割は

・フレームを安定して固定する
・レンズの設計性能を最大限に発揮させる
・装用時の見た目を美しく整える

という3つの要素から成り立っています。このいずれかが欠けても、「ちゃんとしたメガネ」にはなりません。

また、フィッティングは「解剖学的・力学的調整」×「光学的調整」×「美観的調整」が重なり合う総合技術であることを再確認しました。

第2回研修で学んだ合言葉「みてバす」は、最終回でも重要な判断基準となりました。

み(見る):顔・頭部形状の見立て
て(手順):調整の正しい順序
バ(バランス):全体の掛かり具合の評価
す(数字):数値による再現性の確保

実習では、この4つの視点を常に意識しながら調整を行いました。

実習1:見立てから始めるフィッティング

まず行ったのは、メガネを掛ける前と掛けた直後の観察です。

・側頭部と鼻幅の目測をする
・フレームと側頭部の幅は合っているか
・鼻幅や鼻骨の形にフレーム構造は合っている
・眼と耳の高さに左右差はないか
・頭部形状も把握する

ここで重要なのは、「テンプルチップやクリングスをすぐに曲げない」こと。まずはズレや違和感が起きる理由を予測することで、無駄な調整を防ぎます。

実習1:見立てから始めるフィッティング

実習2:手順を守った調整

次に、正しい手順でフィッティングを行いました。

・テンプルの開き幅
・目とレンズの距離
・鼻パッドの当たり方・向き
・テンプルチップの曲げ位置と添わせ
・前傾角や頂間距離、テンプル長の目測

順序を間違えると、別の部分に無理が生じ、結果として掛け心地が悪くなります。参加者同士で確認し合うことで、「なぜこの順番なのか」を体感的に理解しました。

実習2:手順を守った調整
実習2:手順を守った調整

実習3:バランスの確認

調整後は、必ずバランスチェックを行います。

・パッドの左右バランス
・フレームを軽く前に引いた時の動き
・テンプルチップの添わせ具合

一見問題がなさそうでも、どこか一方向に力がかかっていると、ズレやすさや疲労につながります。全体を俯瞰して見る視点が重要であることを再確認しました。

実習3:バランスの確認

実習4:明視域と光学的視点の確認

第3回で学んだ明視域と光学的フィッティングの考え方も、実習の中で確認しました。

・フレーム位置のズレによってアイポイントのズレがないか
・前傾角や頂間距離が左右同じか
・アイポイントや前傾角、頂間距離、テンプル長さの測定
・累進レンズの場合、アイポイントシールで視線とレンズ設計が合っているか
・ミラー法で近方視時の目線の位置を確認する

「度数は合っているのに見えにくい」というケースの多くが、フィッティングによるズレで起きていることを、実際のメガネを通して理解しました。

実習4:明視域と光学的視点の確認

最終回研修で得られたこと

今回の研修を通して、参加者全員が共通して実感したのは、フィッティングは感覚ではなく、理論と確認の積み重ねであるという点です。知識として理解していても、実際に手を動かし、確認し、評価することで初めて「技術」として身につきます。また、誰が調整しても同じようにフィッティングを合わせることができるよう技術や理論の共通化を改めてすることができました。

まとめ

全4回のフィッティング研修を通して、天竜堂が大切にしているのは、『見え方と掛け心地を、理論と技術で裏付けること』です。明視域やレンズ設計を理解し、顔や頭部形状を見立て、正しい手順と数値で調整を行い、最後に全体のバランスを確認する。この一つひとつを丁寧に積み重ねることで、「ちゃんとしたメガネ」は完成します。

天竜堂では、これからも研修を重ねながら技術を磨き続け、お客様一人ひとりにとって本当に快適なメガネをご提供してまいります。

この記事はわたしが書きました

齋田祐一(さいたゆういち)

有限会社天竜堂 1級眼鏡作製技能士(旧SSS級認定眼鏡士)

キクチ眼鏡専門学校卒業後、眼鏡の組合で教育事業に関わり、眼鏡店、眼科を経験後有限会社天竜堂へ入社。眼鏡の仕事を多方面から関わることでお客様のお役に立てる商品やサービスの提案に日々邁進しております。

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フィッティング研修会第3回 — 明視域を理解し、レンズ性能を最大限に引き出すフィッティング —
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