天竜堂

2026.03.18

初めての遠近

浜松市と磐田市に3店舗と2店舗の系列店を展開する、メガネと補聴器の専門店・天竜堂です。「最近スマホが見づらい」「手元にピントが合いにくい」「老眼鏡と普段のメガネ、どっちが正解?」…そんなお悩みが増えてくる時期に、選択肢として出てくるのが遠近両用メガネです。

しかし、遠近両用メガネだけが正解ではありません。生活の中の“見る距離”によって、中近両用メガネや近々両用メガネ、老眼鏡のほうが快適なケースも多いです。そこで今回は、「メガネが初めて」「使い方がよく分からない」という方にも分かるように、ピントが合うメガネの種類と選び方や慣れ方まで丁寧に解説します。

老眼って何が起きているの?

老眼とは「目が悪くなる」わけではなく、ピント調整の力(調節力)が弱くなることが本質です。若い頃は、目の中の水晶体がやわらかく形を変えて、近くにも遠くにもピントを合わせられます。ところが加齢とともに水晶体が硬くなり、近くにピントを寄せる力が落ちてきます。

こんな症状が出たら“老眼のサイン”かもしれません。
・スマホや本を少し離すと見やすい
・近くを見るときはメガネを上げる
・夕方や暗い場所で手元が見えにくい
・近くを見ると疲れる・頭痛が出る
・近くと遠くの切り替えに時間がかかる

ここで大切なのは、必要なメガネは『視力』ではなく『生活の距離』で決まるという点です。

老眼って何が起きているの?
老眼って何が起きているの?

遠近両用メガネとは?

遠近両用メガネとは、1本で『遠く』も『近く』も見るためのメガネです。遠近両用メガネのレンズは、レンズの上部は遠くに、下部は近くにピントが合う設計で、1枚のレンズの中で度数がなだらかに変化しています。つまり、掛け替えを減らして、日常の多くを1本でこなせるのが最大のメリットです。

遠近両用メガネが得意なこと

遠近両用メガネは外出時に遠く(看板や運転)と近く(スマホや会計)を1本で賄うことができます。家の中でも家事など“動きながら”いろいろ見る用途があり、「老眼鏡だと掛け外しが面倒」という方へのストレス軽減につながります。

遠近両用メガネが苦手になりやすいこと

遠近両用は万能に見えますが、設計上どうしても次の特徴があります。

・下を見ると近用度数部分を目線が通るため足元や階段の見え方に慣れが必要
・レンズの周辺にゆがみ(揺れ感)が出やすい
・デスクワークなど「中間距離を長時間見る」ことが苦手な場合がある

だからこそ、遠近両用メガネは生活の中心のどこかで向き不向きが出てしまいます。

遠近両用メガネとは?

遠近両用メガネ以外の選択肢

老眼対策は、遠近両用メガネだけではありません。メガネには中近両用メガネや近々両用メガネ、老眼鏡といった選択肢があります。でも、中近って?近々って?となってしまいますよね。ですから、ここからはほかの選択肢のメガネについて解説していきます。

中近両用メガネ

中近両用メガネは、だいたい0.6~3m前後の中間距離から近くが見やすい設計となっています。パソコン作業や書類の作成、会議、お料理、テレビを見る、カウンター接客などの用途に向いているでしょう。

室内での快適さは非常に高いですが、逆に屋外の遠くは弱いため、運転メインの方には不向きです。「家の中での生活が楽になる」「仕事(デスクワーク)が快適」という声が多いレンズです。

中近両用メガネ
近々両用メガネ

近々両用メガネは、30cm~60cm前後の距離が見やすいメガネです。近距離にピントが合うので細かい作業がとても楽になります。読書や裁縫、スマホ操作、プラモデルの制作のほか、仕事であれば手元の検品作業や伝票作業をする方に向いています。視野が広く、姿勢が楽になりやすいです。ただ、遠くはピントが合わず見えないので掛け替え前提での使用となります。「老眼鏡より疲れない」「首が楽」という人が多いメガネです。

近々両用メガネ
老眼鏡

老眼鏡は手元専用で近くを見ることだけに割り切ったメガネです。ただし、本来見たい距離に度数が合っていないと疲れやすいという面があります。長時間使用や細かい作業が多い方は、近々両用メガネの方が快適なこともあります。

老眼鏡

初めてでも失敗しにくい選び方

迷ったら、次の分類が分かりやすいです。

●外出・運転・買い物が多い → 遠近両用メガネ
「掛け替えが少なくて済む」という価値が最大になります。
●室内中心・PC作業が多い → 中近両用メガネ
遠近を買ったのに「PCが見づらい…」となることを避けられます。
●手元作業が多い・細かいものを見る → 近々両用メガネ or 老眼鏡
趣味・仕事で“近くがメイン”なら、遠近より快適なことが多いです。

実はおすすめなのが2本体制です。外出用に遠近両用メガネ、室内や仕事用は中近両用メガネまたは近々両用メガネを使うのがいいです。この組み合わせは満足度が高いです。「1本で全部」は便利ですが、快適性は用途別がおすすめです。

遠近両用メガネへの慣れ方と上手な使い方

遠近両用メガネは、使い方のコツで体感が大きく変わります。目だけで探さずに顔を少し動かして見たり、階段や段差は目線を落としすぎず慎重にするといったことです。慣れるために最初の1週間は、できれば毎日少しずつ使用時間を増やすようにしてください。また、近くを見るときはレンズの下側を意識してください。

そして、大事なのは、慣れない原因が「慣れ」ではなく「度数」や「設計」「フィッティング(掛け具合)」にあるケースもあります。天竜堂では、度数を合わせるだけではなく、お客様の使用環境(見る距離)を丁寧に伺い、最適なレンズタイプを提案します。さらに、遠近両用をはじめとする累進レンズは、メガネを掛ける位置(目とレンズの位置関係)で見え方が大きく変わるため、フィッティングも重視しています。「遠近両用メガネが合わなかった経験がある」「遠近両用メガネは初めてで不安」等、そんな方ほど実は、調整と選び方で見え方を改善できる余地が大きいです。

まとめ

遠近両用メガネは、遠くから手元までを1本でカバーできる便利なメガネですが、すべての方に同じものが最適とは限りません。

普段の生活の中で
・運転や外出が多いのか
・パソコン作業が中心なのか
・読書やスマートフォンを見る時間が長いのか
といった「見る距離」や「生活環境」によって、最適なレンズは大きく変わります。

そのため、遠近両用だけでなく、
・室内で使いやすい 中近両用メガネ
・手元作業を快適にする 近々両用メガネ
・シンプルに手元を見る 老眼鏡
など、それぞれの用途に合わせた選択がとても重要になります。

そしてもう一つ大切なのが、レンズの度数だけでなく、掛け具合(フィッティング)やレンズ設計との相性です。特に遠近両用レンズは、目とレンズの位置関係やフレームの調整によって見え方が大きく変わるため、専門的な知識と技術が必要になります。

天竜堂には、国家検定資格である眼鏡作製技能士が在籍しており、視力測定だけでなく、お客様の生活環境や使用目的を丁寧に伺いながら、最適なレンズ設計とフレーム、そして掛け心地まで含めたメガネづくりを行っています。「遠近両用が初めてで不安」「遠近を使っているけれど見えにくい」「自分にはどのメガネが合うのか分からない」…そんな方も、ぜひお気軽にご相談ください。お一人おひとりの“見る距離”に合わせたメガネを、専門技術でご提案いたします。天竜堂はこれからも、浜松・磐田を中心に、皆さまの快適な視生活をサポートしてまいります。

この記事はわたしが書きました

齋田祐一(さいたゆういち)

有限会社天竜堂 1級眼鏡作製技能士(旧SSS級認定眼鏡士)

キクチ眼鏡専門学校卒業後、眼鏡の組合で教育事業に関わり、眼鏡店、眼科を経験後有限会社天竜堂へ入社。眼鏡の仕事を多方面から関わることでお客様のお役に立てる商品やサービスの提案に日々邁進しております。

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フィッティング研修レポート第4回 ― 理論と実践をつなぎ、「ちゃんとしたメガネ」を完成させる ―
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